歩苦 求路の備忘録 (旧:奇人な鬼神)

お酒、特にスピリタスについて備忘のためにつらつらと。

スピリタスのカクテル活用法(テイク・ファイブ編)


今日のカクテル検証はテイク・ファイブです。
由来は同名のジャズに影響を受けて考案されたからとか。
ハーブの香りも甘味も強い
シャルトリューズ・ヴェールを存分に生かしたカクテルです。

この曲ですね。
music.youtube.com

実は、スピリタスでカクテルを作るときに比較的相性がいいのが、
ハーブ系リキュールだったりします。
今まで、拙がスピリタスでカクテルを作ることができる
バーテンダーさんがいるBARに出向き、
無茶な注文をしてしまった時も、
大抵何らかのハーブ系はほぼ確実に選択肢に入れていました。
(レディキラー目的等のハードカクテルを除く)
基本的に、苦味や爽快感を伸ばすのにスピリタスは非常に有用です。

では、詳細をご覧ください。

検証方法

以下の3つのウォッカベースのカクテルを飲み比べ、味の変化を見ます。

(備考)

  • レシピが複数あるケースを想定し、引用元の本とページも記載します。
  • 比較対象のウォッカは再現性を第一に考え、コンビニでも入手が容易なキルビーウォッカを使用します。

対象カクテルのレシピ

「テイク・ファイブ」

(材料※割合表記)

(作り方)
材料をシェークします。

※カクテル完全ガイド100ページ記載

評価方法

以下の5段階で付けます。

味のバランス

1…呑めたものではない ~ 5…これはいける!!

濃さ

1…すっきりですいすい飲める ~ 5…濃ゆいのでチビチビ飲める

危うさ(度数と飲みやすさのバランス)

1…度数の割に飲めない ~ 5…度数の割に飲めてしまう

検証結果

通常レシピの「テイク・ファイブ」
  • 味のバランス…4.5
  • 濃さ…3
  • 危うさ…4
  • 度数…約32度
味の推移

(飲み始め→のど越し、後味。縦表記は同時)
甘甘甘甘苦
  酸酸
   苦

感想

そのままだと、甘っ!苦っ!でもそこがいい!
なのが、シャルトリューズ・ヴェールの印象です。
その特徴を残しつつもウォッカとライムで飲みやすくした印象です。

ヴェールの甘苦を残しつつもショットとかは抵抗があり、
スッと飲みたい時におすすめです。

後味は酸味ですが、
一番最後まで残るのはヴェールの苦味なので、
味の移り変わりも良さげですね。

ちなみに、 上記の味の推移で非常にヴェールの味の表記に
頭を悩ませたのはここだけの話。



ハーフスピリタス置き換えの「テイク・ファイブ」
  • 味のバランス…4
  • 濃さ…4.5
  • 危うさ…2.5
  • 度数…約50度
味の推移

甘甘甘甘酸
苦苦苦苦

感想

主役が完全にヴェールに置き換わりましたね。
それをライムが支え、スピリタスが伸ばす印象です。

基本的に、
スッと入る飲みやすいヴェールという認識で間違いないでしょう。
後味くらいのタイミングで酸味が来ます。
飲み口にも若干の酸味があるため、
単純なショットよりは飲みやすいです。

ちなみに、 中盤にも酸味は多分あるんだと思いますが、
ヴェールが強すぎてほぼ検知は不可でした。

飲み始めの酸味も同じレベルで検知不能でしたが、
ヴェールの味を感じる前なら集中すればわかるため、
蒸気の表記では酸は頭にポツンと離して記載してあります。

集中すれば移り変わりがあっておいしいけど、
カクテルにしてはやや単調でくどい…かもしれません。
そのため、カクテルとして認識すると
人によっては肩透かしを食らうかもしれません。

度数に負けないくらい癖が強いため、
危うさは低めに設定しました。

完全スピリタス置き換えの「テイク・ファイブ」
  • 味のバランス…2.5
  • 濃さ…4
  • 危うさ…3.5
  • 度数…約62度
味の推移

酸甘刺刺刺甘
 苦甘  苦
  苦
※最後の甘苦は、アルコールの刺激になれていないとわからない状態

感想

うむ、わかりやすいですね。
ライム→ヴェール→刺激→揮発した後にまたヴェール
というくらいには味が分離しています。

ただ、
刺激になれないと後味のヴェールがわからないくらいピーキーな仕上がりです。
まぁ、60度オーバーですしね。

口の中で回すにしても刺激が味を感じる邪魔をします。
つまりは、入れすぎですね。

ただ、 ここまではっきりと各材料の味が分かれるとは想定外でした。



先日、
『まともに味わえるのは70度まで』
という仮説を立てていたのですが、今回は62度で、
『わからないことはないけど、慣れないと厳しい』
という状態になりました。

元々、シャルトリューズ・ヴェールがメインとなるため、
多少度数が高くても味わえるかな?

と思っていただけにちょっと予想外ですね。

60~70度は慣れが必要なのかもしれません。
(もちろんこれは、拙の場合、ですが。)

スピリタスのカクテル活用法(ウォッカ・アンド・ミドリ編)


今回は非常にシンプルなカクテル。
ウォッカ・アンド・ミドリです。

カクテルとしてはシンプルに、
ウォッカとミドリのみを使用したものになります。
ステアのためシェイカーのような道具も必要なく、
リキュールもメロンリキュールのみと
とても準備しやすいですね。

メロンリキュール自体が、
カルーアと同じレベルでミルクのような割り材とも合わせやすいので、
常備しておいて全く損はないものになります。

まぁ、今回のカクテルは単純に割るのと比較しても
度数は高いのでちと注意ですが…


では、検証結果をご覧ください。

検証方法

以下の3つのウォッカベースのカクテルを飲み比べ、味の変化を見ます。

(備考)

  • レシピが複数あるケースを想定し、引用元の本とページも記載します。
  • 比較対象のウォッカは再現性を第一に考え、コンビニでも入手が容易なキルビーウォッカを使用します。

対象カクテルのレシピ

ウォッカ・アンド・ミドリ」

f:id:ectogre:20220223153746j:plain
ウォッカ・アンド・ミドリ

(材料※割合表記)

(作り方)
注いだ後軽くステア

※カクテル完全ガイド90ページ記載

評価方法

以下の5段階で付けます。

味のバランス

1…呑めたものではない ~ 5…これはいける!!

濃さ

1…すっきりですいすい飲める ~ 5…濃ゆいのでチビチビ飲める

危うさ(度数と飲みやすさのバランス)

1…度数の割に飲めない ~ 5…度数の割に飲めてしまう

検証結果

通常レシピの「ウォッカ・アンド・ミドリ」
  • 味のバランス…3.5
  • 濃さ…2.5
  • 危うさ…3.5
  • 度数…約33度
味の推移

(飲み始め→のど越し、後味。縦表記は同時)
甘甘甘甘苦
甘苦苦苦

感想

シンプルなカクテルだけあって、味の推移もわかりやすくて、
そこまで複雑じゃないですね。 ただ、それゆえに後味がよく伸びる感じです。

最期に舌の上に残るのはほのか~な苦みですね。 甘さはふわっと消える感触。
驚きや非日常感は全くないけど、
その分、日用系としてチョコチップクッキーとかと合わせたい感じかな。

多分、多少度数を高めればもっとよく後味が伸びる気がします。
ただ、その場合苦味が伸びるだけになりそうなのがちょっと怖いですが…

ハーフスピリタス置き換えの「ウォッカ・アンド・ミドリ」
  • 味のバランス…4
  • 濃さ…4
  • 危うさ…3
  • 度数…約66度
味の推移

甘甘甘甘甘
甘苦苦苦苦
青青刺刺刺
青刺

※青…メロンの青臭さ
※刺…アルコールの刺激

感想

さっきはよくわからなかったけど、
重厚なちょっとだけ青臭い甘さが…
メロンの甘さってこういう感じだった気がしますね。

ミドリだけで飲むと甘さの奥に隠れて分かりにくい
青臭い感じも味わえるのは非常に大きな利点だと思います。
(逆に、駄菓子的なメロン味が欲しい時はがっかりかも?)
上の推移があらわすように、
重厚さはあるけど、味の変化には欠ける感じですね。
とは言え、元がそこまで味の変化があったってわけでもないので、
個人的には飲むならこっちが好みです。

あと、こっちだと甘さも最後まで残るのも良いイメージですね。
これはもう完全に単品&チェイサーでチビチビ行くのがベターだと思います。
つまみは不要…というよりも、
この独特の重厚さに合うつまみがないから、
水でリセットする以外の選択肢がないというのが正直なところ。


※「危うさ」を標準より下げた理由については、
標準から度数を倍にした以上に重厚さを感じたので、
これならまぁ、ちびちび行くかな? という理由です。


完全スピリタス置き換えの「ウォッカ・アンド・ミドリ」
  • 味のバランス…1.5
  • 濃さ…3
  • 危うさ…4.5
  • 度数…約77度
味の推移

甘ススス苦
ス刺刺刺青
刺刺刺刺ス
刺   刺
※ス…スピリタスの甘さ。 慣れればわかるけど正直飲みなれていない人には、 「よくわからん味」って言った方が説明はしやすい…

感想

最初に刺激の中に隠れてほんのり甘味。
最後に刺激の中に隠れてほんのり苦味。

あとは刺激。

いや、スピリタス自体にある甘みがわかるようになったけど…
うん、それは拙が慣れているからこその感想だろうね。
後味になって、
やっと青っぽい味わいや苦味がわかるけど、
刺激に隠れちゃってるから相当に意識の集中が必要。

危険物に該当する度数を誇るものをわざわざ飲んでこの味…
唯一の救いはあからさまな味だからレディキラーには使えないことくらい?
やらなくていいですね。これは。
決して作らないでください。



メロンの味や一般的に流通している使い方のイメージから、
ミドリはぱっとした印象として、
「甘さが強めのリキュール(人によってはくどく感じるレベルの)」
なんですけど、意外に甘さの層はそこまで深くはなかったですね。
ハーフスピリタス置き換えでの青臭さの発露
フルスピリタス置き換えでの味の崩壊
からそれが伺えます。
ゴリゴリに重層な味わいのリキュールだと、
ハーフで変化なし
フルで崩れず
…という事態が発生します。(あくまで経験則です)

オリジナルカクテルをミドリで作るときには、
意外と繊細なものと合わせるといいかもしれません。
特に、ミドリを主軸に置きたいときは、ね。

スピリタスのカクテル活用法(ベルニス編)


今回は酸味と苦味が豊かなカクテル。
ベルニスです。

カクテルの中身から、
比較的酸味と苦味がメインになるカクテルですね。

前回のグリーン・スパイダーよりも
繊細な組み合わせのカクテルになりますが、
スピリタスに置き換えても崩壊しないで済むだろうか…
不安ですね。

ectogre.hatenablog.com

では、詳細をご覧ください。

検証方法

以下の3つのウォッカベースのカクテルを飲み比べ、味の変化を見ます。

(備考)

  • レシピが複数あるケースを想定し、引用元の本とページも記載します。
  • 比較対象のウォッカは再現性を第一に考え、コンビニでも入手が容易なキルビーウォッカを使用します。

対象カクテルのレシピ

「ベルニス」
f:id:ectogre:20211231130311j:plain

(材料※割合表記)

(作り方)
材料を入れてシェーク

バーテンダーズ・ポケット・バイブル102ページ記載

評価方法

以下の5段階で付けます。

味のバランス

1…呑めたものではない ~ 5…これはいける!!

濃さ

1…すっきりですいすい飲める ~ 5…濃ゆいのでチビチビ飲める

危うさ(度数と飲みやすさのバランス)

1…度数の割に飲めない ~ 5…度数の割に飲めてしまう

検証結果

通常レシピの「ベルニス」
  • 味のバランス…4.5
  • 濃さ…1
  • 危うさ…3
  • 度数…約29度
味の推移

(飲み始め→のど越し、後味。縦表記は同時)
爽爽爽酸
   甘

感想

ガリアーノビターズが入ってるので苦いかと思えば、
ライムジュースが多めに入っていることもあって、
苦味は後味のアクセント程度で主張が目立っていなくて飲みやすいですね。

ショートカクテルとは思えないくらいスッと入ります。
しかも後味に苦味もあるから飽きも来ないですね。

すっきり味。


ハーフスピリタス置き換えの「ベルニス」
  • 味のバランス…4.5
  • 濃さ…4
  • 危うさ…3.5
  • 度数…約46度
味の推移

甘甘苦酸酸

感想

元々すっきり飲めていたのがウォッカ
「薄めてた」
からってのがよくわかる味です。

度数アップ&割合増加で、ガリアーノの味がくっきりわかるようになりました。
標準レシピでは後味の苦味だけが目立ってたけど、
これだとガリアーノの甘みも苦味も楽しめます。

じゃあ、ライムの味は?
ってのはありますが、メインは張ってない感じです。
あくまで酸味が後味に、という印象かな?

楽しみ方は違うけどこっちも十分味の移り変わりが楽しめて美味しく飲めます。
濃さ的には、標準よりはもちろん濃くてチビチビって感じですね。

度数は約46度で、
カクテル慣れしてる人なら度数相当の味ってわかるかな。
度数感が目立つわけでもないけど、レディキラーってわけでもないですね。


完全スピリタス置き換えの「ベルニス」
  • 味のバランス…3.5
  • 濃さ…5
  • 危うさ…4
  • 度数…約58.5度
味の推移

浮浮(揮発開始)甘
       酸
       苦
       苦
        alc

感想

…うん?
舌にのせ始めは味が乗らないですね。
アルコールが揮発し始めて初めて味が理解できました。

不味くもないけど、さっきのほうがおいしいと思います。
濃さはもうちびちびとしか飲めないのは、当然といえば当然ですね。
ただ、他のこのレベルの度数のカクテルに比べればまぁ、
まだ、飲みやすいかなと思います。



前回、
「甘さを出すならスピリタス多め、
他の味、例えば苦味、爽快感を出すなら少なめ。
70度を超えるとそれどころじゃなくなる。」

という仮定を立てましたが、
GET27ほど主張が激しくないリキュールの場合は、
そのラインは絶対的なものではなく、
ゆったり目のリキュールなら相対的に少ない方向に境目が変わるので、
そのあたりの認識も必要みたいですね。

ガリアーノはGET27よりも主張は薄めのリキュールなので、
フルスピリタス置き換えは58.5度と70度には届いていないですが、
味の認識ギリギリラインって感じがします。

即興でおいしいカクテルを作るバーテンダーさんはやはり偉大ですね…


アルコールと甘さの関係をスピリタスで検証

前回の記事では、
エナドリにアルコールを入れると、
甘さが隠れて苦さが目立つという内容を書きました。

ectogre.hatenablog.com

どうも、スピリタスを入れることで、
甘味をはじめとしたほかの味が隠れ気味になることで、
アルギニンの苦味が前面に出るみたいです。

と、記載したのですが、
これは本当でしょうか?

アルギニンが目立つようになるのは確実だとは思います。
アルギニンは酒に溶けませんからね。
酒を入れた時の影響は皆無と言っていいでしょう。

では、本当に他の味は隠れたのか?
そこが問題です。
なので、一番目立つ味、甘味で検証してみましょう。

f:id:ectogre:20211213214155j:plain

検証方法

以下の度数・温度の6パターンで飲み比べて味の比較をします。

温度
  • 常温(25~28度※度数が高と室温に放置した場合高くなるためずれた)
  • 冷蔵庫(12.5~14.5)
    度数
  • 0度…砂糖水
  • おおよそ10度相当…ストロング系飲料相当
  • おおよそ50度相当…ハードリカー(アブサンレベルのリキュール等)相当

検証結果

常温

【砂糖水】
普通に甘い。砂糖水だもの。

【おおよそ10度相当】
むしろ甘くなった。でも、砂糖の甘さとは違う甘さな気がする。
アルコールによる突き抜ける風味もセットであるので、アルコール起因。

【おおよそ50度相当】
よーく、よーく味わうと、砂糖の甘さに差がないことはわかる。
だが、舌へのアルコール刺激が強いため、集中しないとわからない。

冷蔵庫

【砂糖水】
普通に甘い。ただし、常温よりは感じにくい。
また、冷やす前よりは甘さの引きが明らかに早い。

【おおよそ10度相当】
甘さ自体は先ほどと変わらず、また、砂糖水とも変わらず。
ただ、甘さの引きが明確に遅い。
アルコールのブワッとする感覚に乗るせいか、長く続く。

【おおよそ50度相当】
常温のケースよりも顕著。
アルコールの刺激が強いため、砂糖の甘さがわかりにくい。
飲みなれてやっと、砂糖の甘さがわかる。
それまでは本当にアルコールの刺激で甘さが鈍る。


確かに度数を強くすると、舌への刺激が強くなる分、
甘さを感じにくいという結果は出ました。

しかし、エナドリ検証の際明らかに苦くなったケースの
アルコール度数は10度相当なので、
今回の結果と一致しませんね。

この結果の通りなら、むしろ甘く感じるはずです。
つまりは、この検証だけでは不十分ということですね。

アルギニン単品で注文したので、
次回はこれでやってみましょう。

まさか苦味が強化されるのか…???

レッドブルとスピリタス検証

そういえば、定番ともいえる組み合わせなのにやってない。
気が付いたのでやりましょう。
というより、やったけど記録残してなかった。
これはあかんですね。
いざというときの引き出しを増やします。

検証方法

検証結果

f:id:ectogre:20211208185738j:plain

レッドブルのみ…4.5

レッドブルというと、
やはり甘味がやや強めな印象がありますね。
キンキンに冷やしていればゴクゴク行けますけど、
常温だと甘っ!!
ってなるくらいです。
それでも、美味しいですよね。好きです。


レッドブル:スピリタス 19:1…4.5

さて、ここからが本番
レッドブルスピリタス=19:1

レッドブルというと後味の甘さが結構残るのが印象的ですが、
その甘みの引きが大分早くなっています。

あと、全体的に舌に意識を集中すると、
苦味がほんのちょっとあるのがわかる…かな?
といったレベルなので、苦味はさほど気になりません。

他はほんとに変わらない。
元々の味、というか甘味がが強いですからね。

コカコーラエナジーだとこのあたりでももう苦味が前面に目立っていたので、
それを踏まえると全然飲みやすいです。

ただ、これ以上入れると…期待はできないですね。


レッドブル:スピリタス 9:1…3

はい、想定通りです。

甘さより苦さが先に出てきました。
コカ・コーラエナジーでは酸味とかほかの味わいもあったので
まだよかったですが、
後味の甘さの余韻も苦さの下になって目立たない…

正直飲みにくい!!
やだ!!


f:id:ectogre:20211208185726j:plain その後、いろいろやった結果、一番いいのは果実酢でしたね。
(上記写真ではブルーベリー黒酢を投入)

広がる苦味をどうするか、それがカギになります。



ちなみに、この
スピリタスを入れると苦くなる」
という現象ですが、原因を調べてみました。

どうも一番可能性が高いのが、
「アルギニン」
ですね。

アルギニンは、元々エナドリ全般に含まれているため、
これはエナドリを使うならもはや宿命といっても過言ではないでしょう。

どうも、スピリタスを入れることで、
甘味をはじめとしたほかの味が隠れ気味になることで、
アルギニンの苦味が前面に出るみたいです。

アルギニンはアルコールに全く解けませんから、
影響を受けないんでしょうね。

↓アルギニンの味については、以下のサイトでも紹介されています。 www.osakemirai.com

スピリタスに限らず、
エナドリをお酒にするときにはこの点には注意しましょうね。

スタイルフリーとスピリタス検証

約2年ぶりのビールにスピリタス検証。
第三のビールは高アルコールでもない限りは、
数滴~19:1のバランスがベターでしたが、
スタイルフリーも例外ではありませんでした。

ただ、酸味が出たのは意外でしたけど…


検証方法

  • スタイルフリーのみ
  • スタイルフリー:スピリタス 数滴
  • スタイルフリー:スピリタス 19:1
  • スタイルフリー:スピリタス 9:1

    評価方法

  • 以下の5段階で付けます。
  • (1…呑めたものではない ~ 5…これはいける!!)

検証結果

スタイルフリーのみ…2.75

f:id:ectogre:20211104213854j:plain
そのまま
まずはそのままいただきます。

なるほど… 舌の上に乗せれば麦感はあるけど、
それ以外はほぼ若干の酸味といったところね。

不味くはないけど、味わっちゃうとのっぺり感を感じるかも。
それでも、オールフリーよりはわざとらしくはないかな?

スタイルフリー:スピリタス 数滴…3

f:id:ectogre:20211104213936j:plain
数滴
なぜか、酸味が増して麦感が減りました。
どう言うことなの…?

飲みやすさとかは減った分増した感じなのであまり変わらんですね。
美味しさも、まぁ、そこそこ。
若干は味わいが出た…かも?
というレベルです。

なんだろねこれ…

スタイルフリー:スピリタス 19:1…3.5

f:id:ectogre:20211104213958j:plain
19_1
あ、なるほどね、さっきの出てきた酸味は甘味になる前段階っぽいね。
酸味がだいぶ消えたけど甘味に変わった感じがある。
味がはっきりと変わりましたね。
のど越しはちょっと犠牲になってますけど、なかなかいけます。

ってことは、ひょっとするとこれ、
スピリタスの甘みではないかもしません。
アルコールと何かが合わさって酸味→甘味に変わった可能性が…
とすると、これよりもスピリタス減らせば
酸味と甘味の良いバランスになるかもですね。

ただ、この量だと不味くはないけどちと単調かな?
甘みが強くて他が引っ込みすぎてますね。
これ以上は入れても崩れるだけと予想。


スタイルフリー:スピリタス 9:1…3

f:id:ectogre:20211104214117j:plain
9_1
うんうん、想定通り。
完全に甘味に置き換わった。
そんでもって後味にアルコール臭さが出てきたね。

明らかに入れすぎのサインだわこれ。


ちなみにこの後、
30:1のバランスでやってみたのですが、
個人的には一番の好みでした。
予想通り、味が比較的薄めの第三のビール
数滴~19:1の間で自身の好みを探るのが一番みたいですね。

スピリタスのカクテル活用法(グリーン・スパイダー編)


今回はGET27とウォッカだけを使ったシンプルなカクテル。
グリーン・スパイダーです。

割り材を薄めないために度数の高い
スピリタスを使うというのはよく聞く話ですが、
リキュールだけの場合は勝手が違うみたいです。

ポイントは、
「甘さを主役にしたいのか?
それとも爽快感、苦味等ほかの味を主役にしたいのか?」
これが、スピリタスを入れる分量を左右するポイントです。

では、詳細をご覧ください。

検証方法

以下の3つのウォッカベースのカクテルを飲み比べ、味の変化を見ます。

(備考)

  • レシピが複数あるケースを想定し、引用元の本とページも記載します。
  • 比較対象のウォッカは再現性を第一に考え、コンビニでも入手が容易なキルビーウォッカを使用します。

対象カクテルのレシピ

「グリーン・スパイダー」

f:id:ectogre:20211102210032p:plain
グリーン・スパイダー

(材料)

(作り方)
材料を入れてシェーク

※カクテル完全バイブル・109ページ記載

評価方法

以下の5段階で付けます。

味のバランス

1…呑めたものではない ~ 5…これはいける!!

濃さ

1…すっきりですいすい飲める ~ 5…濃ゆいのでチビチビ飲める

危うさ(度数と飲みやすさのバランス)

1…度数の割に飲めない ~ 5…度数の割に飲めてしまう

検証結果

通常レシピの「グリーン・スパイダー」
  • 味のバランス…4
  • 濃さ…2
  • 危うさ…3.5
  • 度数…約33度

原液だと甘くて濃いGET27ですが、
ウォッカで薄めたのでミント感は割とそのままで
甘さだけを緩和させることができてて飲みやすいですね。

これはこの状態がベストな気がしますね…
スピリタスでやって崩壊しないだろうか?


ハーフスピリタス置き換えの「グリーン・スパイダー」
  • 味のバランス…4.5
  • 濃さ…4.5
  • 危うさ…4
  • 度数…約66度

あら、意外に崩壊しない。
と、いうよりも完全に味の主役が変わりました。

さっきはミント感が主役で甘さがサポートだったけど、
今回は甘さが主役。
ミント感はあくまでも後味が抜けてく時のお手伝いって感じですね。
ちびちび行くのがよさげ。

…フルスピリタスはさすがに崩壊しそうですが。


完全スピリタス置き換えの「グリーン・スパイダー」
  • 味のバランス…3
  • 濃さ…4.5
  • 危うさ…4.2
  • 度数…約77度

…流石にこれになると、
ミント感と、
甘さ、
アルコール感が別々になってる感がありますね。

集中してなんとか、
揮発したアルコールの上で
ミント感と甘さがわかるといった感じでしょうか?
後味まで行くとようやくGET27の味がはっきりするけど、
やっぱり、ヒリヒリしますね。



GET27しか他に入ってないから、
スピリタスの役割が本当によくわかる結果になりました。

甘さを出すか、
ミント感を出すか、
ぎりぎりを攻めるか、
その調整のカギを握りそうですね。

スピリタスの利点としてよく言われるのが
「割り材を薄めなくて済む」
は一方では正しいけどそれはあくまで、
「ジュース等のノンアルコール、
もしくは20度以下のストレート前提で飲む酒」
と合わせた場合だと認識しています。

今回は毛色が違いますね。

今回のリキュールみたいな
20度overの元々カクテルにする色が強いものと合わせるときは、
主役を甘さに持ってくるか、
それ以外にするか、で分量が変わると思います。

甘さを出すならスピリタス多め、
他の味、例えば苦味、爽快感を出すなら少なめ。

ただし、過去の経験則も踏まえて
70度を超えるとそれどころじゃなくなる。

って感じですね。