歩苦 求路の備忘録 (旧:奇人な鬼神)

お酒、特にスピリタスについて備忘のためにつらつらと。

スピリタスのカクテル活用法(アブ・ドゥーク編)


今日の検証は、アブ・ドゥークです。
なんでも、イラン発祥のカクテルとか…
(とはいえ、前情報がほとんどなかったところにレシピだけという状態なので、
実際どうなんでしょう?)

材料は、ウォッカ・ヨーグルト・塩。
つまりは、ウォッカしか液体はないということですね。
…これ、スピリタスに置き換えて大丈夫なんでしょうか?

では、詳細をご覧ください。

検証方法

以下の3つのウォッカベースのカクテルを飲み比べ、味の変化を見ます。

(備考)

  • レシピが複数あるケースを想定し、引用元の本とページも記載します。
  • 比較対象のウォッカは再現性を第一に考え、コンビニでも入手が容易なキルビーウォッカを使用します。

対象カクテルのレシピ

「アブ・ドゥーク」

(材料)

  • ウォッカ…30ml
  • プレーン・ヨーグルト…60ml
  • 塩…少々

(作り方)
材料を混ぜてステアする。
バーテンダーズ・ポケット・バイブル90ページ記載

評価方法

以下の5段階で付けます。

味のバランス

1…呑めたものではない ~ 5…これはいける!!

濃さ

1…すっきりですいすい飲める ~ 5…濃ゆいのでチビチビ飲める

危うさ(度数と飲みやすさのバランス)

1…度数の割に飲めない ~ 5…度数の割に飲めてしまう

検証結果

通常レシピの「アブ・ドゥーク」
  • 味のバランス…4
  • 濃さ…4
  • 危うさ…2
  • 度数…約5.3度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強  乳酸酸酸塩
↑   乳塩塩苦
      苦
↓  
弱  

感想

最初は乳製品特有の脂肪というか乳感で、
次に来るのは酸味ですね。
そして、飲み進めると酸味と塩味が合わさる印象があります。

簡潔に言えば癖のないチーズといった所でしょうか?
ウォッカを入れないでヨーグルトに塩をちょっと入れたら、
 本当にそんな感じになりました。

ウォッカと氷が解けた水により、
後味の爽快感と伸びが感じられて
飲み物としてスッと飲めるものになっていますね。

これ、元の水分が少ないので、
氷の解け具合でこの伸びが変わるのが面白いです。

そして最後に、喉に向かうことろには、ウォッカの苦味が来ますね。
ヨーグルトと塩を混ぜただけの時にはなかったからこれはウォッカ起因かな。



ハーフスピリタス置き換えの「アブ・ドゥーク」
  • 味のバランス…3.5
  • 濃さ…5
  • 危うさ…2
  • 度数…約7.4度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強  乳酸塩乳苦
↑   乳酸塩
    塩乳酸
↓   苦苦苦 
弱  

感想

純粋に液体を減らしたことにより、
後味の伸びが完全になくなりました。

標準レシピでは後味で出てきていたウォッカの苦味(酒感?)が、
最初から広く浅く支える感じになっていますね。
ただし、酸味、塩味がなくなったタイミングでは、
酒の苦味を感じます。

最初の乳感、最後の苦味以外は、
味の移り変わりというよりは、混ざってる感じです。
ただし、混ざってる時は比較的弱く感じる苦味が、
ヨーグルトと、塩の味が切れた時に残ります。

完全スピリタス置き換えの「アブ・ドゥーク」
  • 味のバランス…1.5
  • 濃さ…3
  • 危うさ…3
  • 度数…約13.7度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強  乳苦苦苦苦
↑   乳
    塩乳
↓    塩乳
弱      乳

感想

主役が完全にスピリタスのアルコール感と苦味。
味わおうとしてやっと塩味と乳感がわかる状態。

酸味は本当にわからなくなりました。
はい、言うまでもなく入れすぎということですね。



普通に飲むなら標準レシピが一番ですね。
とりわけ、水分量を少なくしたり度数を強くしてもおいしくなる
類のものではない気がします。

ただし、ハーフスピリタス置き換えについては、
この濃ゆいチーズに似た感触は何かに使えるかなという気も、
しなくはないですね。
例えば、これに何かを加えるとか…ね


スピリタスのカクテル活用法(アクア編)


今日は、アクアの検証です。

今まで、ショートカクテルが多めで、
仮にロングカクテルを検証するとしても、
ウォッカソーダスクリュードライバーのような
材料があまり多くないシンプルなカクテルでした。

メイン材料のGET27はほかのカクテルに使うことも多いので
傾向はイメージできますが、
なかなか不安が尽きない検証になりそうです。

では、詳細をご覧ください。

検証方法

以下の3つのウォッカベースのカクテルを飲み比べ、味の変化を見ます。

(備考)

  • レシピが複数あるケースを想定し、引用元の本とページも記載します。
  • 比較対象のウォッカは再現性を第一に考え、コンビニでも入手が容易なキルビーウォッカを使用します。

対象カクテルのレシピ

「アクア」

(材料※割合表記)

  • ウォッカ…30ml
  • グリーン・ミント・リキュール(GET27)…20ml
  • ライム・ジュース…10ml
  • トニック…110ml (レシピ度数より逆算)

ペパーミント ジェット27 [ リキュール 700ml ]

ペパーミント ジェット27 [ リキュール 700ml ]

  • PIPPERMINT GET(ペパーミントジェット)
Amazon

(作り方)
トニックを除きシェークをしたのち、トニックを注ぐ

※カクテル完全バイブル104ページ記載

評価方法

以下の5段階で付けます。

味のバランス

1…呑めたものではない ~ 5…これはいける!!

濃さ

1…すっきりですいすい飲める ~ 5…濃ゆいのでチビチビ飲める

危うさ(度数と飲みやすさのバランス)

1…度数の割に飲めない ~ 5…度数の割に飲めてしまう

検証結果

通常レシピの「アクア」
  • 味のバランス…4.5
  • 濃さ…1.5
  • 危うさ…3
  • 度数…約9度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強  甘甘爽爽爽甘甘
↑  酸爽   爽酸
       酸
↓   酸酸酸苦苦
弱  

感想

味のベースはGET27になります。
GET27は爽快感も甘味も強いため、これは妥当ですね。

ただ、それだけだと単調になってしまいますが、
飲み口にライムの酸味がある分、美味しくスッと飲めます。

トニックは特に目立ってはいないけど、
全体の中心にはなっている感じかな?
これがないと飲んでる最中がGET中心になりかねないので、
炭酸よりも適切な気はしますね。



ハーフスピリタス置き換えの「アクア」
  • 味のバランス…4
  • 濃さ…2.5
  • 危うさ…2
  • 度数…約12度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強  甘爽甘爽甘爽甘
↑  爽甘爽甘爽甘爽
   
↓        苦
弱  酸
   
     苦苦苦苦

感想

ハーフスピリタス置き換え置き換えのケースは、
多くの場合ウォッカで薄めた割合が減るため、
他の味が強くなる傾向があります。

しかし、今回は後味のライムが消えてしまいました。
終始GETです。

辛うじて飲み口にはライムの酸味を感じますが、
他の部分では相当に厳しいです。

トニックも目立たなくなりました。

因みに、上の図で「甘」と「爽」が交互になっているのは、
GET27の爽快感と甘さが相互互角と感じたので交互記載にしました。

また、それとほかの味の記載に距離がありますが、
これくらい離していい感じでGETメインでした。

ただ、僅かにあるだけでもなんとか単調には感じなかったですが、
多分スイスイ飲んだらGETしかわからないですね。


完全スピリタス置き換えの「アクア」
  • 味のバランス…2.5
  • 濃さ…2.5
  • 危うさ…2.5
  • 度数…約19.4度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強  甘爽甘爽甘爽甘
↑  爽甘爽甘爽甘爽
   
↓   苦苦苦苦苦
弱        酸

感想

苦い。

…というと語弊がありますが、
度数がロングカクテルとしては相当高い20度overになったことで、
ショートカクテルの時に見られる揮発が舌の上で生じたからだと思います。

揮発すると苦味が際立ちますね。
それ以外はほぼハーフスピリタス置き換え
と変わらないです。

簡単に言うと、 揮発が見られるようになった影響で、
GETと他の味の距離が短くなったといったところでしょうか?
苦味はやっぱり残りますね。



因みに、昨日はこの味の推移どうやって表すかでだいぶ難儀しました。

いや、まだ標準レシピは簡単だったんですが、
他がもう、ね。

スピリタス置き換え、本当にウンウン唸って難産した記憶あります。
公開検証だから配信していたのに。

※因みに、配信風景はこちらになります。
リスナーと雑談を交えたり、
なぜかクラフトコーラの宣伝をしたりしてますが、
内容はいたって真剣にやってるものになります。

歩苦求路の公開検証会 ~アクアのスピリタスカクテル検証~ - YouTube

もし興味があればご確認いただければ幸いです。

スピリタスのカクテル活用法(神風編)


最近シンプルなドリンクやロング系のドリンクが 多かったので、
今回はショートかつ3種類の材料を使うカクテルです。
その中でもすっきり飲める、神風ですね。

雪国と同じく、日本の方が考案したカクテルかな…?
と思ったんですが、どうやらアメリカの方が考案されたみたいですね。

これから暑くなる季節にはぴったりの、
すっきり飲めるカクテルです。

では、詳細をご覧ください。

検証方法

以下の3つのウォッカベースのカクテルを飲み比べ、味の変化を見ます。

(備考)

  • レシピが複数あるケースを想定し、引用元の本とページも記載します。
  • 比較対象のウォッカは再現性を第一に考え、コンビニでも入手が容易なキルビーウォッカを使用します。

対象カクテルのレシピ

「神風」

(材料)

(作り方)
シェーク
※カクテル完全バイブル107ページ記載

評価方法

以下の5段階で付けます。

味のバランス

1…呑めたものではない ~ 5…これはいける!!

濃さ

1…すっきりですいすい飲める ~ 5…濃ゆいのでチビチビ飲める

危うさ(度数と飲みやすさのバランス)

1…度数の割に飲めない ~ 5…度数の割に飲めてしまう

検証結果

通常レシピの「神風」
  • 味のバランス…4.5
  • 濃さ…2.5
  • 危うさ…4
  • 度数…約29度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強  甘甘甘甘酸
↑  酸酸酸酸
       苦
↓  
弱  苦苦苦苦

感想

全体的な傾向としては、はじめがコアントローの甘めの柑橘感で、
最後がライムの酸味が目立つ流れです。
コアントローは単品だと後味で苦味が目立ちますが、
そこをライムの酸味と爽快感でカバーしてる印象ですね。

お互いの長所を引き出しあってると思います。

ライム単品だと後味の酸味が強すぎて、
逆にコアントローは苦味が強い。
これが一緒になることでちょうどいい感じですね。

ウォッカが入ってるからくどくない気がしますね。
そこをスピリタスにすると、どう変わるのでしょうか?


ハーフスピリタス置き換えの「神風」
  • 味のバランス…4
  • 濃さ…3.5
  • 危うさ…3.5
  • 度数…約35度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強  酸酸酸酸酸
↑      苦
   甘甘甘甘
↓  
弱  

感想

コアントローとライムの強弱がハッキリ出た感じですね。

終始比較的ライムが目立って、
コアントローの甘さはくどい酸味を抑える程度の脇役になりました。

端的に言えば、ライムの印象はそのままに、
コアントローのイメージがぼやけた感じですかね?

今までと違って珍しいのは、
スピリタス置き換えをしても味が短くなった印象があまりないってことですね。

ちなみに、度数が高くなると奥に隠れやすい味は確かにあるみたいです。
今回のコアントローのようにね。
逆に、ミントの爽快感やライムの酸味は
『例外を除けば』残りがちですね。


完全スピリタス置き換えの「神風」
  • 味のバランス…4
  • 濃さ…3.5
  • 危うさ…4
  • 度数…約45度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強  甘甘甘甘揮
↑   揮揮揮苦
   
↓  苦苦
弱  酸酸

感想

先に上げた例外が、早速発生しました。
ライムの味がわかりにくくなってしまいました。

そのため、上記の味の推移でもライムが担っていた、
苦味と酸味を弱く表現してあります。

代わりに、コアントローの味が
比較して目立つようになりましたね。 味の強さ自体は変わってないと思いますが、
ライムが息を潜めたから目立つようになったのでしょうね。



ちなみに、ライムの酸味が消えた理由は、
アルコール度数が高すぎて、
舌に感じる揮発感(刺激と言い換えてもいい)が出てきて
ライムの酸味を画した構図になった模様です。

一方、コアントローはこの揮発感では隠れないから
相対的に出てきたのだと思います。

※この検証の後
 ライム&スピリタス
 コアントロースピリタス
 を個別に検証した感想です。


スピリタスのカクテル活用法(スクリュードライバー編)


今回もシンプルなカクテル、スクリュードライバーです。
無数あるカクテルと比べても、
最もシンプルなカクテルと言えるのではないでしょうか?

実は、果肉があるジュースを使用する場合とない場合では、
大分感触が変化することは検討済みですが、今回は果肉がないジュースを使います。

理由としては、こちらの方が普段見かけるケースが多いからですね。
(この検証では、再現性を重要視しています。)

では、詳細をご覧ください。

検証方法

以下の3つのウォッカベースのカクテルを飲み比べ、味の変化を見ます。

(備考)

  • レシピが複数あるケースを想定し、引用元の本とページも記載します。
  • 比較対象のウォッカは再現性を第一に考え、コンビニでも入手が容易なキルビーウォッカを使用します。

対象カクテルのレシピ

スクリュードライバー

(材料※割合表記)

  • ウォッカ…45ml
  • オレンジジュース…90ml(参考書籍の表示度数13.3度よりウォッカを40度と見立てて逆算)

(作り方)
ウォッカ→オレンジジュースの順番で入れてステア
※カクテル完全バイブル112ページ記載

評価方法

以下の5段階で付けます。

味のバランス

1…呑めたものではない ~ 5…これはいける!!

濃さ

1…すっきりですいすい飲める ~ 5…濃ゆいのでチビチビ飲める

危うさ(度数と飲みやすさのバランス)

1…度数の割に飲めない ~ 5…度数の割に飲めてしまう

検証結果

通常レシピの「スクリュードライバー
  • 味のバランス…2
  • 濃さ…2
  • 危うさ…2
  • 度数…約12.3度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強  甘甘甘甘苦
↑  酸酸酸苦
     苦
↓   苦
弱  苦

感想

最初はオレンジジュースの味がメインです、
そこからだんだんウォッカに切り替わる感じですね。
非常にシンプルではありますが、この味の移り変わりが感じられるのが、
カクテルにとっての重要なファクターだと感じます。

…とはいえ、後味で目立つのは苦味っぽい感じですけどね。

しかし、酒としてもジュースとしても薄く感じるのは気のせいだろうか?
ショートカクテルに慣れすぎたのかもしれません。


ハーフスピリタス置き換えの「スクリュードライバー
  • 味のバランス…3
  • 濃さ…4
  • 危うさ…2.5
  • 度数…約19.2度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強  甘甘甘苦苦
↑  酸酸苦 揮
    苦
↓  苦
弱 
  

感想

非常にわかりやすい結果になりました。
スピリタスの特性の味を短くする、が、如実に現れています。

最初は、 先ほどのノーマルレシピで感じた味の薄さがなく、
オレンジジュースそのままの味に近かったのですが、
先ほどのノーマルレシピよりも早く
通常レシピでもあった苦味に置き換わりました。

さらにはアルコール感も苦味とセットで到来します。
最後にブワッと来る感じですね。

完全スピリタス置き換えの「スクリュードライバー
  • 味のバランス…1.5
  • 濃さ…3
  • 危うさ…3
  • 度数…約32度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強  苦苦苦揮
↑  揮揮揮
   甘甘
↓  酸酸
弱 

感想

主役交代のお知らせです。
予想はしておりましたが、
完全に苦味とアルコール感が前面に出ました。

で、甘味と酸味のオレンジに当たる部分が先に消えてく感じですね。

はい、やりすぎです。
一回こっきりでいいですね。



正直、ハーフスピリタス置き換えのケースでも
アルコール度数が20度弱あることを考えると、
味とのバランスを鑑みても
手放しでお勧めできるものではありません。

やはり最初は数滴から始めたほうがいいよね。
と感じる検証でした。

スピリタスのカクテル活用法(ブラッディメアリー編)


今回はブラッディメアリーです。
何気に、隠し味に入れる香辛料が変わったり、
セットで入れる野菜が変わったりと、バリエーション豊かですね。

ちなみに、拙がスピリタスが置いてあるという話を聞いてBARに出向いた場合、
真っ先に頼むのがこれだったりします。

で、単に置き換えただけだったり、
バランスがあんまりにもあんまりだったらあとは適当に頼んで、
さっさと退散する感じですね。

美味しかった場合?
それはもう常連ですよ。

と、いうことでもちろん拙自身も作りなれてはいるのですが、
こうしてがっつり検証というのは、例によってやったことがないので、
これを機に…ですね。

では、詳細をご覧ください。

検証方法

以下の3つのウォッカベースのカクテルを飲み比べ、味の変化を見ます。

(備考)

  • レシピが複数あるケースを想定し、引用元の本とページも記載します。
  • 比較対象のウォッカは再現性を第一に考え、コンビニでも入手が容易なキルビーウォッカを使用します。

対象カクテルのレシピ

「ブラッディメアリー」

(材料)

  • ウォッカ…45ml
  • トマトジュース…120ml(参考書籍の表示度数10.9度よりウォッカを40度と見立てて逆算)
  • ※今回はスピリタスによる変化を見るため、香辛料・付け合わせはなし

(作り方)
材料をグラスに入れてステア
※カクテル完全バイブル117ページ記載

評価方法

以下の5段階で付けます。

味のバランス

1…呑めたものではない ~ 5…これはいける!!

濃さ

1…すっきりですいすい飲める ~ 5…濃ゆいのでチビチビ飲める

危うさ(度数と飲みやすさのバランス)

1…度数の割に飲めない ~ 5…度数の割に飲めてしまう

検証結果

通常レシピの「ブラッディメアリー」
  • 味のバランス…2.5
  • 濃さ…3
  • 危うさ…2
  • 度数…約11度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強  苦果果苦苦
↑  果  苦酸
  
↓   酸酸酸

感想

うーん、物足りない。
やっぱりコレには一つアクセントをつけたくなりますね。

…って、今回の目的はそうじゃないですね。

トマトのみだと感じられる爽快感のある酸味が消えて、
奥にあった甘味とアルコール感がメインになります。
飲み始めと飲み終わりに感じられる爽快感が、
すべてアルコールの若干えぐみを含む甘さに置き換わり、
それが頭とお尻に関しては影響が大きくて結構飲みにくさを助長していますね。

特に、飲み終わり一歩手前の喉に流れる寸前の苦味が大きいです。
ここは本来、コンソメの味やセロリの香り、
ペッパーの刺激でフォローが必要になるところですね。
唐辛子系の辛みも、調整が難しいけどありかな。

…と、その辺をフルオミットしたため違和感と物足りなさがすごいです。



ハーフスピリタス置き換えの「ブラッディメアリー」
  • 味のバランス…4.5
  • 濃さ…4.5
  • 危うさ…1.5
  • 度数…約15度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強  酸果甘揮揮
↑  果酸  苦
     果
↓    酸果
弱     酸果
       酸

感想

ん、こうしてノーマルのブラッディメアリーと比べると、
味の傾向が大きくが変わったことがわかりますね。
それも珍しい傾向に。

飲み口はけっこうトマトジュースなんですが、
そこからスピリタスのアルコールの割合がガンガン増えていって、
後味はいつもの揮発する感触の上に酸味、そして若干の甘みになります。

珍しいというよりも、今まで拙が持論にしていた
スピリタスの割り材は、慣れないうちは果肉、
ないし繊維の要素がある飲み物がいい。」
という点に対して、割と納得のいく理由がつかめた感じです。

今回のトマトジュースもそうですが、
飲み口ではよっぽどバランス崩れた入れ方をしなければ、
アルコールより果肉や繊維部分に近い味が舌に残ります。

だからこそ、飲み口即違和感になる可能性が低減できるって感じですね。

完全スピリタス置き換えの「ブラッディメアリー」
  • 味のバランス…2.5
  • 濃さ…2.5
  • 危うさ…3.5
  • 度数…約26度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強  甘甘揮揮揮
↑  揮揮甘甘苦
   
↓  果
弱  
    果酸
    酸果

感想

ん〜
終始、アルコール感に包まれた何かの味を感じます。
意識しないと、それがトマトとわからないくらいにはぼやけていますね。

とりあえず、
完全にトマトの味全てがスピリタスに覆い隠された感じになっています。

スピリタストマト風味ですね。

スピリタスに覆い隠されるのはある意味予想通りでしたが、
アルコールの刺すような刺激が最後に喉を通るとき以外にないのは意外でした。

完全にスピリタスに負けてるなら
ほかの置き換えカクテルと同じく舌や口がヒリヒリするもんですが…
どうやら、果肉&繊維質のパワーを認識しなおさなくちゃダメみたいですね。



しかし、今回も改めて繊維質のパワーを感じたわけですが、
これ、どうしてなんでしょうね?

…ちょうど手元に水溶性・不溶性両方ともに食物繊維はあるんですよね。
粉末の。

次回、試してみます。

スピリタスのカクテル活用法(ブラック・ルシアン編)


今日もシンプルなカクテルです。
ウォッカとコーヒーリキュールのみを使用した
ブラック・ルシアン」です。
ホワイト・ルシアンだったり、ダーティ・マザーだったりと、
バリエーションも豊富なカクテルですね。

実は、今回の検証をやる前から
ちょくちょくスピリタスで作って飲んではいます。
が、当然比較はしたことないので、今回やってみるという流れ。

一般的に流通しているレシピが、ウォッカ:コーヒーリキュール=2:1で
いつもやっているのがスピリタス:コーヒーリキュール=1:1のため、
まさに今回のセミスピリタス置き換えが該当しますね。

コーヒーリキュールの銘柄の違いで調整は必要と思いますが、
多分この割合が最適かな?
と思っています。
(とはいえ、コーヒーリキュールもそこまで詳しいわけではないですが…)

しかし、実際はどうなのでしょう?

では、詳細をご覧ください。

検証方法

以下の3つのウォッカベースのカクテルを飲み比べ、味の変化を見ます。

(備考)

  • レシピが複数あるケースを想定し、引用元の本とページも記載します。
  • 比較対象のウォッカは再現性を第一に考え、コンビニでも入手が容易なキルビーウォッカを使用します。

対象カクテルのレシピ

ブラック・ルシアン
f:id:ectogre:20220410160843j:plain

(材料※割合表記)

【以下、材料の通販サイトを載せる】

(作り方)
シェーク・ステアしたのち氷に浮かべる
※今回はステアで実施

※カクテル完全バイブル116ページ記載

評価方法

以下の5段階で付けます。

味のバランス

1…呑めたものではない ~ 5…これはいける!!

濃さ

1…すっきりですいすい飲める ~ 5…濃ゆいのでチビチビ飲める

危うさ(度数と飲みやすさのバランス)

1…度数の割に飲めない ~ 5…度数の割に飲めてしまう

検証結果

通常レシピの「ブラック・ルシアン
  • 味のバランス…4.5
  • 濃さ…3
  • 危うさ…4
  • 度数…約31度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強  甘甘甘香苦
↑  甘 香苦
   苦
↓   

感想

飲み口は甘さが目立って、
飲んでいる最中は基本的にそれが続く印象です。
そして、後味にはカルーアの香ばしさと苦さが感じられて
スムーズな味の変化ですね。

甘いといってもそこまでのしつこさはなく、
ウォッカのおかげで伸びてるから割とスムーズに飲めます。

味のケンカもしていないため、割とまとまりはいいです。
ウォッカがきれいにサポートにはまっています。


ハーフスピリタス置き換えの「ブラック・ルシアン
  • 味のバランス…4.5
  • 濃さ…4.5
  • 危うさ…4.5
  • 度数…約58度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強  甘甘苦揮
↑  甘苦香甘
   苦香
↓  香

感想

うん、まず色が違いますね。
カルーアが薄まった印象がありません。

味としてはコレも他のカクテルの置き換えと同じように、
後味までの感覚が濃縮された感じかな。
あとは後味にアルコールの甘さと揮発感が加わっています。

濃く短く、って感じでしょうか。 通常レシピと比較しても、
おおよそ当初の予想が当たっていた形になります。

味の濃さ的にも、度数的にも。
この一杯だけで満足できる感じですね。


完全スピリタス置き換えの「ブラック・ルシアン
  • 味のバランス…2.5
  • 濃さ…4.5
  • 危うさ…5
  • 度数…約71度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

 (薄まる前)   

強  揮揮揮
↑  刺刺刺


弱  酸酸
   甘甘

(薄まった後)
強  甘揮揮揮
↑  刺刺刺
   甘甘甘
↓   

感想

これは、氷が解ける影響が非常に強く出る結果になりました。
アルコール度数が高い分、溶けやすくなっているんでしょうね。

溶ける前の状態としては、
カルーアさんの味がどこに行ったか完全に行方不明になりました。
カルーアの甘味も苦味も全部隠れています。

一応酸味っぽい刺激は感じますが、
スピリタスショットで同じ感触があるので、
この酸味はスピリタスですね。

ほんのちょっとまろやかになったスピリタス
という表現がぴったりです。

一方、氷が少々溶けると、
飲み進めてたらカルーアの甘さが底に感じられるようになります。
それと同時に味が伸びた印象もありますね。

とはいえ、ここまで薄まる前後で味に変化が出るものも珍しいと思います。
主役交代に近いものを感じますね。



最期のフルスピリタス置き換えについては、
氷が解ければ溶けるほど
ノーマルのブラック・ルシアンにどんどん近づくので、
考えてみれば納得ですね。

ただ、
薄まってもアルコール臭さは残るので、
やるならセミスピリタス出やるのがいいと思います。
その分、アルコール度数が落ちて溶けるのは遅くなるので、
氷はあえて早く溶けるのを狙ってクラッシュアイスが面白いかもです。


爽快感を出す以外にも、
あえて『溶かす』ことで奥のある味の変化を演出するのも、
面白いかもしれませんね。
(ウイスキーのロックをのんびり飲むのに近いでしょうか?)

スピリタスのカクテル活用法(ウォッカ・ソーダ編)


名前の通り、ですね。 いやぁ…わかりやすいです。

その分、余計に使う炭酸と比較対象のウォッカは選んだほうがいいと思いつつも、 他のカクテル検証との比較ということで、結局キルビーです。

半分置き換えであれば甘くなるかな?
なんて淡い期待を抱いていますが、さてはて…

では、詳細をご覧ください。

検証方法

以下の3つのウォッカベースのカクテルを飲み比べ、味の変化を見ます。

(備考)

  • レシピが複数あるケースを想定し、引用元の本とページも記載します。
  • 比較対象のウォッカは再現性を第一に考え、コンビニでも入手が容易なキルビーウォッカを使用します。

対象カクテルのレシピ

ウォッカソーダ

(材料※割合表記)

(作り方)
注いだのち軽くステア
※カクテル完全ガイド91ページ記載

評価方法

以下の5段階で付けます。

味のバランス

1…呑めたものではない ~ 5…これはいける!!

濃さ

1…すっきりですいすい飲める ~ 5…濃ゆいのでチビチビ飲める

危うさ(度数と飲みやすさのバランス)

1…度数の割に飲めない ~ 5…度数の割に飲めてしまう

検証結果

通常レシピの「ウォッカソーダ
  • 味のバランス…4
  • 濃さ…2
  • 危うさ…3
  • 度数…約7度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強 甘酸酸酸酸酸
↑  刺刺刺刺甘
 
↓  甘甘甘甘

感想

炭酸だけだと、酸味と炭酸の刺激が続きますが、
(そりゃそうか)
そこにウォッカの甘さがコーティングされた感じですね。

特に、飲み初めが甘味→酸味&炭酸刺激
になるところは味に複雑さが増すという意味では大きいと思います。

基本的に舌の上の主役が炭酸とウォッカが半々になった感じです。

まぁ、他に?
って言われると、うん!

…ってなりますけどね。

ちなみに、
飲んでる最中の甘味まではさすがに意識しないと認識は非常に困難です。


ハーフスピリタス置き換えの「ウォッカソーダ
  • 味のバランス…3
  • 濃さ…3
  • 危うさ…2
  • 度数…約10度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強  甘甘甘甘甘甘
↑ 
    刺刺刺刺
↓       
弱       酸

感想

ん、主役が酸味から甘味に変わりました。
逆に、酸味は意識しないとわからんレベルです。
炭酸も度数が上がったから弱くなってますね。

最初から最後まで基本アルコール感で、単調です。
酸味は最後のアルコール揮発が認識できればワンチャン、
あるとは思いますが…

これは、フルスピリタス置き換えが大分怖い結果です…

ちなみに、度数の割に飲みにくいので、
危うさは低めです。
ストロング系のチューハイの飲みやすさと比べたら明白ですね。


完全スピリタス置き換えの「ウォッカソーダ
  • 味のバランス…1
  • 濃さ…4
  • 危うさ…3.5
  • 度数…約18度
味の推移

飲み始め← →のど越し、後味

強 甘甘甘甘甘
↑    揮揮
 
↓   刺

感想

うん、完全に炭酸の酸味消えました。
炭酸も微炭酸レベルに弱いです。

どれくらい酸味が消えたかというと、
実は炭酸の銘柄ごとにもやったほうがいいかな?

…って考えてたけど、やらんでええわコレ!
って感じるレベルでしたね。

刺激も感じるけど、コレはアルコールの刺激ですねぇ…



総合すると、やはりスピリタスに置き換えるなら
半分以下がよさげということで間違いはなさそうですね。

しかし、やっぱりスピリタスは最高の脇役、
引き立て役であって主役ではないな。
…と、今回の検証で実感しました。

スピリタスは調味料』
スピリタスの運用は塩をイメージすれば外れない』
スピリタスは一滴から』

をモットーにしてる身分としては、
改めて納得がいく結果を見ることができました。

今後も、この方針で貫きたいと思います。