歩苦 求路の備忘録 (旧:奇人な鬼神)

お酒、特にスピリタスについて備忘のためにつらつらと。

スピリタスのカクテル活用法(ウォッカ・アンド・ミドリ編)


今回は非常にシンプルなカクテル。
ウォッカ・アンド・ミドリです。

カクテルとしてはシンプルに、
ウォッカとミドリのみを使用したものになります。
ステアのためシェイカーのような道具も必要なく、
リキュールもメロンリキュールのみと
とても準備しやすいですね。

メロンリキュール自体が、
カルーアと同じレベルでミルクのような割り材とも合わせやすいので、
常備しておいて全く損はないものになります。

まぁ、今回のカクテルは単純に割るのと比較しても
度数は高いのでちと注意ですが…


では、検証結果をご覧ください。

検証方法

以下の3つのウォッカベースのカクテルを飲み比べ、味の変化を見ます。

(備考)

  • レシピが複数あるケースを想定し、引用元の本とページも記載します。
  • 比較対象のウォッカは再現性を第一に考え、コンビニでも入手が容易なキルビーウォッカを使用します。

対象カクテルのレシピ

ウォッカ・アンド・ミドリ」

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ウォッカ・アンド・ミドリ

(材料※割合表記)

(作り方)
注いだ後軽くステア

※カクテル完全ガイド90ページ記載

評価方法

以下の5段階で付けます。

味のバランス

1…呑めたものではない ~ 5…これはいける!!

濃さ

1…すっきりですいすい飲める ~ 5…濃ゆいのでチビチビ飲める

危うさ(度数と飲みやすさのバランス)

1…度数の割に飲めない ~ 5…度数の割に飲めてしまう

検証結果

通常レシピの「ウォッカ・アンド・ミドリ」
  • 味のバランス…3.5
  • 濃さ…2.5
  • 危うさ…3.5
  • 度数…約33度
味の推移

(飲み始め→のど越し、後味。縦表記は同時)
甘甘甘甘苦
甘苦苦苦

感想

シンプルなカクテルだけあって、味の推移もわかりやすくて、
そこまで複雑じゃないですね。 ただ、それゆえに後味がよく伸びる感じです。

最期に舌の上に残るのはほのか~な苦みですね。 甘さはふわっと消える感触。
驚きや非日常感は全くないけど、
その分、日用系としてチョコチップクッキーとかと合わせたい感じかな。

多分、多少度数を高めればもっとよく後味が伸びる気がします。
ただ、その場合苦味が伸びるだけになりそうなのがちょっと怖いですが…

ハーフスピリタス置き換えの「ウォッカ・アンド・ミドリ」
  • 味のバランス…4
  • 濃さ…4
  • 危うさ…3
  • 度数…約66度
味の推移

甘甘甘甘甘
甘苦苦苦苦
青青刺刺刺
青刺

※青…メロンの青臭さ
※刺…アルコールの刺激

感想

さっきはよくわからなかったけど、
重厚なちょっとだけ青臭い甘さが…
メロンの甘さってこういう感じだった気がしますね。

ミドリだけで飲むと甘さの奥に隠れて分かりにくい
青臭い感じも味わえるのは非常に大きな利点だと思います。
(逆に、駄菓子的なメロン味が欲しい時はがっかりかも?)
上の推移があらわすように、
重厚さはあるけど、味の変化には欠ける感じですね。
とは言え、元がそこまで味の変化があったってわけでもないので、
個人的には飲むならこっちが好みです。

あと、こっちだと甘さも最後まで残るのも良いイメージですね。
これはもう完全に単品&チェイサーでチビチビ行くのがベターだと思います。
つまみは不要…というよりも、
この独特の重厚さに合うつまみがないから、
水でリセットする以外の選択肢がないというのが正直なところ。


※「危うさ」を標準より下げた理由については、
標準から度数を倍にした以上に重厚さを感じたので、
これならまぁ、ちびちび行くかな? という理由です。


完全スピリタス置き換えの「ウォッカ・アンド・ミドリ」
  • 味のバランス…1.5
  • 濃さ…3
  • 危うさ…4.5
  • 度数…約77度
味の推移

甘ススス苦
ス刺刺刺青
刺刺刺刺ス
刺   刺
※ス…スピリタスの甘さ。 慣れればわかるけど正直飲みなれていない人には、 「よくわからん味」って言った方が説明はしやすい…

感想

最初に刺激の中に隠れてほんのり甘味。
最後に刺激の中に隠れてほんのり苦味。

あとは刺激。

いや、スピリタス自体にある甘みがわかるようになったけど…
うん、それは拙が慣れているからこその感想だろうね。
後味になって、
やっと青っぽい味わいや苦味がわかるけど、
刺激に隠れちゃってるから相当に意識の集中が必要。

危険物に該当する度数を誇るものをわざわざ飲んでこの味…
唯一の救いはあからさまな味だからレディキラーには使えないことくらい?
やらなくていいですね。これは。
決して作らないでください。



メロンの味や一般的に流通している使い方のイメージから、
ミドリはぱっとした印象として、
「甘さが強めのリキュール(人によってはくどく感じるレベルの)」
なんですけど、意外に甘さの層はそこまで深くはなかったですね。
ハーフスピリタス置き換えでの青臭さの発露
フルスピリタス置き換えでの味の崩壊
からそれが伺えます。
ゴリゴリに重層な味わいのリキュールだと、
ハーフで変化なし
フルで崩れず
…という事態が発生します。(あくまで経験則です)

オリジナルカクテルをミドリで作るときには、
意外と繊細なものと合わせるといいかもしれません。
特に、ミドリを主軸に置きたいときは、ね。