歩苦 求路の備忘録 (旧:奇人な鬼神)

お酒、特にスピリタスについて備忘のためにつらつらと。

スピリタスのカクテル活用法(グリーン・スパイダー編)


今回はGET27とウォッカだけを使ったシンプルなカクテル。
グリーン・スパイダーです。

割り材を薄めないために度数の高い
スピリタスを使うというのはよく聞く話ですが、
リキュールだけの場合は勝手が違うみたいです。

ポイントは、
「甘さを主役にしたいのか?
それとも爽快感、苦味等ほかの味を主役にしたいのか?」
これが、スピリタスを入れる分量を左右するポイントです。

では、詳細をご覧ください。

検証方法

以下の3つのウォッカベースのカクテルを飲み比べ、味の変化を見ます。

(備考)

  • レシピが複数あるケースを想定し、引用元の本とページも記載します。
  • 比較対象のウォッカは再現性を第一に考え、コンビニでも入手が容易なキルビーウォッカを使用します。

対象カクテルのレシピ

「グリーン・スパイダー」

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グリーン・スパイダー

(材料)

(作り方)
材料を入れてシェーク

※カクテル完全バイブル・109ページ記載

評価方法

以下の5段階で付けます。

味のバランス

1…呑めたものではない ~ 5…これはいける!!

濃さ

1…すっきりですいすい飲める ~ 5…濃ゆいのでチビチビ飲める

危うさ(度数と飲みやすさのバランス)

1…度数の割に飲めない ~ 5…度数の割に飲めてしまう

検証結果

通常レシピの「グリーン・スパイダー」
  • 味のバランス…4
  • 濃さ…2
  • 危うさ…3.5
  • 度数…約33度

原液だと甘くて濃いGET27ですが、
ウォッカで薄めたのでミント感は割とそのままで
甘さだけを緩和させることができてて飲みやすいですね。

これはこの状態がベストな気がしますね…
スピリタスでやって崩壊しないだろうか?


ハーフスピリタス置き換えの「グリーン・スパイダー」
  • 味のバランス…4.5
  • 濃さ…4.5
  • 危うさ…4
  • 度数…約66度

あら、意外に崩壊しない。
と、いうよりも完全に味の主役が変わりました。

さっきはミント感が主役で甘さがサポートだったけど、
今回は甘さが主役。
ミント感はあくまでも後味が抜けてく時のお手伝いって感じですね。
ちびちび行くのがよさげ。

…フルスピリタスはさすがに崩壊しそうですが。


完全スピリタス置き換えの「グリーン・スパイダー」
  • 味のバランス…3
  • 濃さ…4.5
  • 危うさ…4.2
  • 度数…約77度

…流石にこれになると、
ミント感と、
甘さ、
アルコール感が別々になってる感がありますね。

集中してなんとか、
揮発したアルコールの上で
ミント感と甘さがわかるといった感じでしょうか?
後味まで行くとようやくGET27の味がはっきりするけど、
やっぱり、ヒリヒリしますね。



GET27しか他に入ってないから、
スピリタスの役割が本当によくわかる結果になりました。

甘さを出すか、
ミント感を出すか、
ぎりぎりを攻めるか、
その調整のカギを握りそうですね。

スピリタスの利点としてよく言われるのが
「割り材を薄めなくて済む」
は一方では正しいけどそれはあくまで、
「ジュース等のノンアルコール、
もしくは20度以下のストレート前提で飲む酒」
と合わせた場合だと認識しています。

今回は毛色が違いますね。

今回のリキュールみたいな
20度overの元々カクテルにする色が強いものと合わせるときは、
主役を甘さに持ってくるか、
それ以外にするか、で分量が変わると思います。

甘さを出すならスピリタス多め、
他の味、例えば苦味、爽快感を出すなら少なめ。

ただし、過去の経験則も踏まえて
70度を超えるとそれどころじゃなくなる。

って感じですね。