歩苦 求路の備忘録 (旧:奇人な鬼神)

お酒、特にスピリタスについて備忘のためにつらつらと。

スピリタスのカクテル活用法(シルバー・ウイング編)



検証方法

以下の3つのウォッカベースのカクテルを飲み比べ、味の変化を見ます。

(備考)

  • レシピが複数あるケースを想定し、引用元の本とページも記載します。
  • 比較対象のウォッカは再現性を第一に考え、コンビニでも入手が容易なキルビーウォッカを使用します。

対象カクテルのレシピ

「シルバー・ウイング」

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シルバー・ウイング

(材料)

(作り方)
ミキシンググラスに氷を入れて混ぜる

※カクテル完全バイブル・111ページ記載

評価方法

以下の5段階で付けます。

味のバランス

1…呑めたものではない ~ 5…これはいける!!

濃さ

1…すっきりですいすい飲める ~ 5…濃ゆいのでチビチビ飲める

危うさ(度数と飲みやすさのバランス)

1…度数の割に飲めない ~ 5…度数の割に飲めてしまう

検証結果

通常レシピの「シルバー・ウイング」
  • 味のバランス…4.5
  • 濃さ…3
  • 危うさ…3.5
  • 度数…約32度

コアントローの甘み酸味とチンザノドライの甘み酸味が絡み合ってるところを、 ウォッカで支えるという味の構造になっています。
風味の感じ方としては、コアントロー→チンザノという順番でしょうか?

コアントローってオレンジの渋みというか苦みもあるんですけど、
チンザノと合わせてさらにウォッカでまろやかにしたおかげで、
尖ったところがなくて丸っこいバランスになってます。

非常に飲みやすく、度数よりも すいすい飲めちゃいそうですね。

これは別にスピリタスに置き換えて
コアントローとチンザノの割合増やす必要ない味な気がしますね。 なんとなくですが、味が崩壊しそうで怖いです。


ハーフスピリタス置き換えの「シルバー・ウイング」
  • 味のバランス…3.5
  • 濃さ…4.5
  • 危うさ…2.5
  • 度数…約50度

でも、検証なのでやります。
仕方ないね。新しい発見があるかもですし。

標準版ではウォッカが支えるって感触でしたが、
それがぐぐいって押し上げられてる感じに変化しています。

味の優しさとノビを犠牲にした代わりに、
コアントローとチンザノの味の濃さと
スピリタスによるブワッとした口の中への広がりを手に入れた印象ですね。

具体的には、 呑み始めにチンザノとコアントローの「甘さ」の部分がガツンと来ます。
その後に、スピリタスのアルコール感でブワッと広がる感じですね。
そして最後に、コアントローの渋みが来るかな?

スピリタスを用いたカクテルに対して総じて言えることではありますが、
これもチビチビ飲んで口の中での味の広がりを楽しむためのカクテルですね。

完全スピリタス置き換えの「シルバー・ウイング」
  • 味のバランス…3
  • 濃さ…4
  • 危うさ…3
  • 度数…約62度

標準と同じ量でスピリタスに置き換えた場合、
アルコール、チンザノ、コアントローの甘さ以外がわからなくなりました。
最後の後味にちょっとした酸味と苦味はありますが、
意識しないとわからないレベルですね。

もちろん、ちびちびとしか飲めないです。
度数を考えると。

しかし、味のレベルとしては他の完全にスピリタスに置き換えた
カクテルよりも悪くはありません。
三種三様の甘さがよくまとまっててるところに、
ハーフスピリタス置き換えの時よりも強化された、
強アルコール特有のふわっとした広がりも感じられて美味しい体験ができます。

本当にチビチビ行くなら全然違和感なくていい感じです。



正直、意外でした。
フルスピリタス置き換えでも、味が崩れず、
これはこれで良しって思える味になりました。

恐らく、甘さが中心のリキュールがメインを張った場合、
高アルコールにした時の特徴のブワッとした広がりと合うのだと思います。

実際、過去に拙がスピリタスカクテルを探してBAR巡りをした時も、
甘さが強めのリキュールと合わせている例が多かったですしね。

等々…